コレクション: 矢毒マユ

 ーー絵に込めた再生の物語ーー

幼少期、時間があれば夢中で絵を描いていた。  
宿題そっちのけでスケッチブックに向かう時間が、何よりも自由で楽しかった。  
けれど、15歳の頃、家庭の事情で筆を置かざるを得なくなった——。  

時が流れ、大人になり、母となる。  
娘が生まれ、その子もまた絵を描くことが大好きだった。  
ある日、娘がふと放った言葉が、止まっていた時間を再び動かした。  


「ママも、もう一度描いてみたら?」  


その一言が、忘れかけていた情熱に火を灯し、私は再び絵筆を握ることを決意した。  

2022年——油絵を独学で描き始める。  
技法も知識も何もない。けれど、ただ思うままに、心が動くままに描き続けた。  

幼い頃から生き物が好きだった私が、特に心を奪われたのは

「毒を持つカエル」

その 【美しさ、可愛さ、そしてどこか宿す“怖さ”】。  
相反する要素が共存する姿に魅了され、カエルの絵を描くようになる。  

カエルという小さな命の中に、人生の奥深さを見る。

時に愛らしく、時に神秘的に、そして時に危うく——。  
その一瞬を切り取るように、私はキャンバスに向かう。  

これからも、描き続ける。  
止まっていた時間を取り戻すように。  
そして、あの頃の私に伝えるように。  

「夢は、いつからでも描き直せる。」

 

《経歴》  
・2022年末 活動開始  
・2023年5月 国際公募展「第11回 躍動する現代作家展」入選
・2023年7月 ミニアート展 入選
・2023年8月 国際公募展「カンカク展#1」入選  
・2024年4月 国際公募展「第13回 躍動する現代作家展」入選
・2024年6月 フランス発行アート誌「République des Arts」に作品掲載
・2024年8月 国際公募展「カンカク展#2」入選 
・2025年2月 大阪に出展予定
・2025年3月 フランス アート博 in パリに出展予定 

🐱 愛猫家

矢毒マユ